郵船ロジ様、サトー様、当社の3社共同で行う海外調達物流効率化への取り組みが2019年6月27日の繊研新聞で紹介されました。
以下記事全文となりますので是非ご一読下さい。
ファッション物流の浪速運送は、郵船ロジスティクス(郵船ロジ)、サトーと3社共同で、アパレル製品の海外調達を効率化する。主要生産拠点である中国や東南アジアから日本にハンガー輸送(洋服をハンガーでつるした状態で輸送)し、納期短縮や物流費の削減、店舗作業の負担軽減などに結びつける。
3社は18年から、サプライチェーン全体が可視化できるソリューションサービスを提供してきたが、さらにハンガー輸送を組み合わせる。
既存サービスは海外で縫製された衣料品を浪速運送の検品物流センターで検品、検針、流通加工、ラベルの貼り付け、店舗仕分けし、国際輸送は郵船ロジが担当する。郵船ロジの可視化システムとサトーの梱包(こんぽう)情報管理システムを連携し、国内への納品までサプライチェーン全体の情報をバーコードやICタグによって可視化できる。ただ、段ボールなどで梱包して輸送するため、日本国内でプレス作業する必要があった。「日本のプレス工場のキャパが不足しており、リードタイムが相当長くなることもある」(郵船ロジ)ため、生産拠点でプレスするハンガー輸送を提案する。
海外の生産拠点からハンガーのままアパレル製品が到着する
コンテナの積載率は下がるが、日本でのプレス代や中間物流を考えれば「コストは吸収できる」。国内のハンガー輸送で実績のある浪速運送のノウハウで、「輸送中のハンガーバーからの落下や湿気による商品へのダメージといった課題は解消できた」という。ハンガーにつったまま納品するため、店頭の販売員の陳列作業などの負担が軽減されるメリットもある。
すでに今春、カンボジアから日本へのハンガー輸送に着手し、1万5000着を輸送して落下はゼロだった。ミャンマー、ベトナム、中国でも順次開始する見通しだ。
現状のハンガー輸送では、浪速運送の東京の物流配送センターで到着したコンテナから商品を取り出し、店別に仕分けて発送している。
今後は、これをサトーのICタグソリューションなども組み合わせて進化させる。浪速運送の海外拠点で店舗別にまで仕分け、日本の各港に輸送して国内での付帯作業を減らし、アパレルメーカーの店舗までスムーズに納品できるようにする考えだ。
衣料品の海外調達は、トラック・船運賃や工賃が上昇して直接コストは削減しにくくなっている。「間接コストを抑えるのも1社単独でサプライチェーン改革するには限界があり、今後は海外で調達可能なハンガーメーカーとも組むなど取り組みを拡大させていきたい」(山本俊介浪速運送顧問)という。
浪速運送はアパレル企業約1万社と取引があり、国内のハンガー輸送では約85%を占めるという。ハンガーにつるしたまま、自動で店舗別に仕分けられるハンガーソーターも各拠点のセンターに備えている。
浪速運送の配送センター(東京)